私の履歴書・・・火起こし法!

木枯らしの夕方、姉さんがあわただしく帰って来ます。
こたつに入ります。「温うないやん。立炭法で、早く、
早く」こたつ奉行の私に声をかけます。「あいよ」と私
こたつにもぐリ込みます。

当たり前の話ですが、火を起すのにいちばん早い方法は、
赤い火種の周りに炭を立てて風の通りを良くすることで
す。それを「立炭法=りったんほう」と呼びます。炭を
横にして、火種を上にのせる方法もあります。

それを「横炭法」と呼びました。ひとりで、のんびり入っ
ている時は、その方が落ち着きます。立炭法は、すぐに赤
々といこります(燃えるほど赤くなります)みんなの熱い
温い寒いを牛耳ってる喜びがありました。

物置に行って、炭俵の中の炭の量を調べるのも、奉行の仕
事でした。昭和37年ぐらいまで、夏は冷蔵庫の氷を配達
し、冬は炭を売る店がありました。炭俵は、良く燃えまし
た。こたつや火鉢の良い灰を作るのも奉行の仕事でした。