人生最初の「大事件」!

昭和20年8月6日の西宮空襲で、久寿川の家は全焼しま
した。姉と長兄は、祖父の元に縁故疎開しておりました。
母と16年生まれの兄は、空襲後、足守に行きました。

翌21年、私はそこで生まれました。竜王山、足守川、陣
屋町の様子は、夢に見るほど覚えています。
昭和25年になって、世の中が落ち着いて来たので、父が
単身で働いていた大阪の毎日新聞の社宅に引っ越しました。

6月25日。日曜日。父に連れられて3年生の兄さんと、
新聞社見学に出かけておりました。曾根崎新地です。
印刷工場でベルが鳴りました。「今のベルなんや!」
父は下駄の音も高らかに、編集部のほうに駆けていき戻っ
て来て「戦争や、あかん、今日はかえり」叫びました。

兄と新聞社を出ると「号外、号外、毎日新聞の号外!
朝鮮で戦争開始や!」勢いよくトラックが号外をばらまき
ながら街へ走り出していきました!