輪島の皆さん・・・!
半世紀前に訪ねた輪島の皆さんは、たぶん殆どの方がお
られないことでしょうが、輪島塗の漆器を作っておられ
る方々は輝いておられました。職人とか、工芸家という
枠を越えて、天使でした。神様でした。
大丸神戸店で、飾っている屠蘇器は、100万円近い値札
が付いておりました。私の給料が4万円の時代です。
それを毎朝毛羽たきで掃除するのは、私の仕事でした。そ
ういうものを有り難たがらない人に触れさせるわけにはい
きません。
昨年、能登地震が起こって、何度も何度も塗りを重ねる輪
島の神技が、どうか後の世まで続くことを祈っています。
輪島塗の汁椀を、私はそれから半世紀近く愛用していました。
最後は、塗りがはげて、上品な布が姿を現しました!