私の履歴書・・・父、発病。

のんきに暮していた昭和42年、秋口。新聞社から帰って
きた父が、「えらいこっちゃ」と話し始めました。「最近
喉のあたりの調子が悪いので、会社の提携している病院で
診てもらったところ、ガンの疑いがある」

というのです。さらに詳しく調べなくてはわからないけど、
心配や、と、いつもの勢いがないのです。結婚して、一年
ぐらいしか経っていないのに、申し訳ないと新しい母さん
に謝っています。

ガンやったら、喉頭ガン、食道ガンやというのです。煙草は
良く吸う人でしたけど、結婚して気休めにしかならんでしょ
うけど、ショートホープに変えてました。お酒はがんがん飲
む方ではありませんが、毎晩菊正宗2合です。

家中に、ピリッとした空気が生れました。正式に言えば、父が
再婚して1年半のことでした。ガンと決まったわけではありま
せんが、旧制高校の頃、医者を目指して、ドイツ後を取ってい
た父は、医者同士の会話が気になると元気がないのでした。

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